先日東京都企業立地セミナーを聞きに行った際に
おしぼり業界で活躍されている会社様の代表の講演をお聞きできる機会がありました。

その会社様は、おしぼりレンタル業を代々してきたが、バブルがはじけおしぼりの需要が低下した際に悩んでたときに、教えをこいた方に言われた言葉で救われたそうです。
それが、

「業種を変えず、業態を変える」

という言葉だったそうです。

その言葉をもとに事業を成長させようと、おしぼりという業種はそのままに業態をレンタルから使い捨てにチャレンジすることになったというお話でした。
会社のビジョンは、「おもてなしの創造」です。
有名な海外アーティストが日本に来て「おしぼり」の存在に驚いたことを知り、「おしぼり」は「おもてなし」だということに行き着いたそうで、
現在では産学連携で抗菌、抗ウィルス性の高い商品を開発し、医療やスポーツ業界に進出しているそうです。

おしぼりを知り尽くしている会社が、おしぼりを捨てずにおしぼりの使い方を切り替えるだけで、市場や分野を超えた企業に成長しています。

この言葉に私も気づきをいただきました。
私自身、新規事業や商品開発をお手伝いする際に、
一番大事にするのは「ストーリー」です。

それは、
「なぜ?その事業をその会社がやることになったのか」
「なぜ?その商品が生まれたか」
という、誕生の源の大切さを知っているからです。

どうしても会社の先行きが危うくなってきたり、または業績がよかったりで新規事業を検討する会社は、なにか違う市場に出ていけないかというのを考えがちです。
時代は日々変わり、お客様の志向や市場も日々変わっていくことから一定の商品がいつまでも売れるということはなかなか難しいです。
そんななかで、しなやかに環境や市場、お客様に寄り添って成長していくかが大事です。
先のおしぼりの会社様の例は、何か事業を考えるとき、自身の武器を見つめ直すヒントになるのではないでしょうか。