豆まきや恵方巻などでおなじみの節分。
2月3日のイメージがあると思いますが、今年は2月2日だというのをご存知でしたか?

実は、節分の日付は毎年固定ではありません。

「節分」とは、文字通り「季節を分ける」という意味で、
本来は各季節の始まりの4回存在し、立春、立夏、立秋、立冬のそれぞれの前日が「節分」となります。
これは、中国から伝わった一年を二十四等分する季節の区切り
「二十四節気」という考え方が元になっています。

地球と太陽の位置を調べて決定する「二十四節気」は、毎年少しずつ変動します。
節分が2月3日でなくなるのは昭和59(1984)年2月4日以来37年ぶり、
2月2日となるのは明治30(1897)年2月2日以来、
なんと124年ぶりのことだそうです。

節分に「豆まき」をするのはなぜ?

かつて日本では、12月の年末の大晦日と、
立春の前日の節分がともに新年ととらえられていました。
新しい年を迎えるにあたって厄災や邪気を祓うための行事が行われており、
これが豆まきの由来になったといわれています。

日本では、穀物に魔除けや生命力が備わっていると信じられていました。
豆まきには、邪気や鬼を外に祓い、
福を呼び込めるようにという願いが込められています。

豆まきに使用する豆はお祓いをした炒り豆。
炒り豆を使うのは、人びとの厄災を変わりに背負って捨てられるため、
拾い損ねた豆から芽がでてしまうと災いが起こるという言い伝えがあったからだそうです。

また、「豆を炒る」が「豆を射る」に通じ、
鬼の目に豆を投げつけて鬼を滅する「魔目(まめ)」「摩滅(まめつ)」につながり
邪気を祓う意味合いがあるという説もあります。

豆まきの方法や掛け声には、地域によって多少違いがあるようですが、
一般的には奥側の部屋から玄関に向かい、
ドアや窓を開け放って「鬼は外!」と外に豆をまき、
鬼が戻らないようにドアや窓を閉めてから「福は内!」と室内に豆をまきます。

魔目を射る(豆を炒る)ことで邪気を祓った節分の豆は「福豆」と呼ばれ、
まいた福豆を歳の数だけ食べるとされています。
これは「福」を身体に取り入れ、一年の健康を願ってのこと。
食べる豆の数には「歳の数+一粒」という説もありますが、
豆まきの風習が始まった頃は年齢を数え年で表していたこと、
一粒多く食べることで「来年も健康でありますように」との願いも込められているそうです。

また、家に鬼が入ってこないように
葉っぱ付きの柊の小枝と焼いた鰯の頭を魔除けとして玄関や門などの出入り口に飾る
「柊鰯(ひいらぎいわし)」も古くからの風習です。
尖ったものや臭いものには魔除けの効果があるとされ、
柊の葉の棘が鬼の目を刺し、鰯を焼く臭いと煙が鬼を遠ざけると言われています。

恵方巻きはいつから食べられていたの?

豆まきとともに、近年では日本全国で知られている「恵方巻き」。
江戸から明治時代に始まったとされ、
節分とともに商売繁盛を祈願して、
芸妓さんや商人たちに食べられていたそうです。

当時は「太巻き寿司」や「丸かぶり寿司」と呼ばれ、
縁起のいい「七福神」にあやかり、7種類の具材を巻いて「福を巻く」とされていました。
また、黒い海苔で巻かれた太巻きを鬼の金棒に見立て、
丸かじりすることで「鬼退治」と捉えているという説も。

7種類の定番の具材には、それぞれ願いや意味が込められています。

かんぴょう:細く長い形から「長生きできるように」、縁結び
しいたけの煮物:古来より神様のお供え物とされ、傘の形から「身を守ってもらえるように」
伊達巻(だし巻・厚焼き卵):黄色い色が「金」を、金運のげん担ぎ
うなぎ(あなご):古くから縁起のいい食べ物で、出世や上昇のげん担ぎ、「長生きできるように」
桜でんぶ:鯛をほぐした桜でんぶは「めでたい」にかかった縁起物。鮮やかなピンク色が華やかさを添えてくれます。
エビ:紅白の色と飛び出た目の形から「めでたし」という縁起食材。曲がった腰と長いひげが健康長寿の象徴
きゅうり:その名前から九つの「利(益)」をもたらす

2021年の恵方、縁起のいい方角は「南南東」。
「縁を切らない」「福を一気に取り込む」ということから、
願いごとを思い浮かべながら最後まで一気に食べきりましょう。

コロナ禍で不安な日々が続いています。
無病息災を願って、おうち時間で節分を楽しんでください。