2021年は秋先まで緊急事態宣言が出され、ワクチン接種がはじまるなど昨年以上に新型コロナウイルスに翻弄された年だったのではないでしょうか。
海外での新変異種の蔓延により物資の手配が滞ったり、物価が高騰するなど輸入に頼る日本の弱さが露呈したカタチとなりました。
住宅業界では、アメリカなど郊外への住宅需要があがったことから日本に木材が入ってこなくウッドショックと呼ばれる木材不足や、中国からの水回りやトイレをはじめとする資材が入ってこないことにより、せっかく建築してもトイレが付けられない状態の工務店も出てきています。
また、イエナカ需要が高まるものの、半導体不足によりゲーム機が製造できない状態も出ています。
日本は半導体製造において世界トップクラスだったにも関わらず、現在では海外企業の支援がないと研究開発さえもできない状態になっていることも露呈しました。

日本はどこに向かって進んでいたのでしょうか。

 

不足時代からの充足。代替時代突入へ。

現在、なにもかもが原料不足の時代。
原油が在庫急減で高騰、住宅用木材不足で住宅建築遅延、小麦不足でのパンなどの食材高騰と相次いでいろいろなものが高騰しています。
日本は世界から見て安くて美味しいものが食べれるといったイメージをもたれています。
商品価格は一度価格帯イメージが付いてしまうと、相場観が構築されてしまいます。
商品価格が安くなるには好印象になりますが、高くなることには顧客満足度が下がり、納得がいかない限り顧客離れがはじまります。
大量生産されているものにも関わらず、高値であるものに対して消費者はお金を出すでしょうか?

今まで満足して購入していたモノが高騰した場合、何かを購入しないなど代償して同じものを買い続けるか、それとも少し形状は異なるが代替えに乗り移る選択が迫られます。

今まで大量生産物や大手に負けていた生産者は絶好のチャンスと捉え、見劣りのしない、いやウキウキする代替品を提案する機会がきています。

ここで、新たな価値に切り替えることができれば、次時代、次世界の新ルールを構築し入れ替わることができるでしょう。

 

 

消費者と呼ぶ時代は終わり。

色々なところで「持続可能な開発目標SDGs」という言葉を見かけるようになりました。これは国連サミットで加盟国の全会一致で採択された2030年には達成するために掲げられた目標です。各企業はこの目標に向けて取り組みをはじめています。メディアも多く取りあげられていることから、一般の方々も意識が高まっており、「一つ一つのものを本当にいいのだろうか?」という疑問と自己肯定感の確認をしはじめています。

店頭のレジ袋の有料化をすることにより、多くのレジ袋を削減することができました。レジ袋を無料に戻すような話題が出たり、エコバックを大量に作っていたりと矛盾するような動きもありますが、この流れは未来を考えれば後戻りできません。

企業の資料やニュースにおいて、商品を売るターゲットを消費者という言い方をしているところを見かけます。
消費者とは、モノや金、時間を消費する主体者をあらわします。
企業が一般の方々を消費者と呼ぶことは、一般の方々が商品を購入するんだからといった責任を押し付けているようにもみえてしまいます。
これからは企業は消費者という付き合い方ではなく、どれだけ心にかける「顧客」として見る必要がでてくるでしょう。

 

スタイルからスタンスへ。スタンスからスマートへ。

ブログをはじめ、Youtubeやnoteといった個人が自ら簡単に情報発信ができる時代になりました。
これにより、ネットを介して視聴者や閲覧者とつながることで、情報発信者は自分自身を客観的にとらえ、セルフプロデュースをする時代となり、スタイルを確立するようになりました。

また、クラウドファンディングが脚光を浴びています。環境や社会にとってよいビジネスを行っている個人や企業、団体が増えています。
企業もパーパス経営といった資本経営から志本経営といった舵をきっており、個性や特徴から社会的立場や存在意義と言ったスタンスを発信するようになりました。

社会的立場や姿勢といったスタンスを掲げ、より自身のスタイルに磨きをかけた先には何があるのでしょうか。

自身のスタイルやスタンスを確立するには、周囲との関係構築がうまく、コミュニケーション能力が高くなければできません。

不確かな時代において、何が正しいか予測がつかないなかで強い意志をもった者に人々は惹かれます。
テレビメディアのように、多くの目を気にしすぎてしまい発信する情報が尖ってなく面白くないと言われてしまい、テレビを持たなくなってきている時代です。
SNSなどを通じて自身で情報発信できるなかで、より情報が尖っているスタイルやスタンスを発信することができるようになりました。時には生意気に見えたり、社会的に疑問がもたれるような発信でも、実は裏ではうまく動いていたり、新たな価値観を提言しているようなスマートさが求められてきます。
例えば、Youtuberのなかには一見大金を使い社会貢献のような企画を配信していたりしますが、その場はお金にならなくても、しっかりと登録者を増やす投資として作用し、他の映像を見た際に広告費を増やすことができたりしています。

社会的意義を求められるなかで、表向きには見えないけれど、しっかり裏側で作用しているスマートさが必要になってきます。

「何で儲けているの?」と言われたら、今最先端なビジネスモデルを実現している証拠です。

 

2022年の3つのマーケティングキーワード

2022年は、新型コロナウイルスの脅威に疑問をもつものが増え、リスクを恐れず攻勢が強まります。

今までの商品を売っている企業は、資材がないなかで利益を確保しなければなりません。

しかし、商品を探す者にとっては求めているモノが無ければ、代替となるモノを探しはじめます。

2022年における一般者の心理から企画を立てるにあたって、ヒントとなる思考キーワードが3点あります。

<関連記事:2021年のマーケティング3つのキーワード企画師予想

 

1.代替思考

資材不足により、人気のあるプレステーション5をはじめとするゲーム機さえも提供がままならず、今でも抽選販売を繰り返しています。
ゲーム機が手に入らなければ、ずっと待つことはせず違う楽しみ方を探します。
また、手軽に作れるために経緯や工程を省いたような商品は、様々な材料が必要とされ資材不足により数量が限定されたり、金額が高騰します。人々はコロナ禍前よりもテレワークなどの浸透により時間があることから、その不足している資材を代替品で補い、自身で作り上げるようになります。

今までのようなYahooやGoogleでの検索の仕方もかわり、探す検索キーワードもできあがった商品ではなく、パーツや部分的な機能で検索する人が増えてくるでしょう。

2.投資思考

新型コロナウイルスが落ち着いてくると経済が回復すると見込み、投資思考が高まります。
デジタルアートなどへの投資も盛り上がってきています。
投資は株などだけではなく、事業も含まれ、一般の方が参加しやすいクラウドファンディングは、購入型と言われる謝礼ではなく、支えていくカタチも生まれてきています。
また、テレワークにより本業以外の時間が生まれたことで、自身のスタンスやスタイル確立のために、副業や資格取得といった自分自身への投資が高まります。

<関連記事:2021年A3用紙1枚企画書テーマ売上げランキング発表

 

3.ネオ浪漫思考

18世紀末から19世紀前半にヨーロッパで起こった精神運動のひとつであるロマン主義があります。それまでの理性偏重、合理主義などに対し、感受性や主観に重きをおいた一連の運動です。
それに対し古典主義があり、ギリシャ・ローマの古典古代を理想と考え、その時代の学芸・文化を模範として仰ぐ傾向で、均整・調和などがその理想とされています。
多くの情報が発信されており、若者は小学校時代からプレゼンテーションなどに触れていることから情報整理力にたけているなかで、Youtubeや解説者などの実行の伴わない論調よりも、カタチになっている感受性に訴えるようなものを求めています。
今までは論破などがひとつのブームのように注目を集めていましたが、これらは新型コロナによる不安時代に羅針盤となるものが欲しい需要があったからになります。今までの合理的な時代に変革を与えるようなカタチとして見え感情に訴えかけるものに惹かれます。

間違いなく、生き残りをかけた競争がはじまっています。

思考の変化を捉え、論ずるのではなく実行です。

お客の反応が悪いと感じたらすぐに次にチャレンジしてみてください。

チャレンジしている姿勢が、人の心を必ずつかんでくれるでしょう。