着物を作ってみたい、職人になりたいと思っても
どこに問い合わせをしたらいいか、研修生など受付けているのか
なかなか分かりづらいものです。

なかなか調べても情報に到達できないのは、
各産地の伝統工芸が、いつ消滅してもおかしくない状況にあり、
後継者育成までに手が回っていない産地が多くあるのが現状です。

しかし、全国の産地を調べてみると、
積極的に後継者育成に励んでいる産地もあります。

地方公共団体や組合などが主体となり、養成所や研修センターなどの施設を構えているところがあります。

今回、少しでも着物の職人に、着物を自らの手で作ってみたいと興味をもった方が、研修できる場所にたどり着けるよう
まとめてみました。

もしかすると、下記以外にもあるかもしれませんが、最近まで研修生を募集していた産地と養成所・研修施設をもっている産地をご紹介いたします。

毎年、春先(2〜5月)に国や地方公共団体の補助金の支援を受けて学ぶことができる産地もありますので、詳細は各窓口にお問い合わせください。

小千谷縮・越後上布

越後上布とは、新潟県を生産の場とする麻織物。製作工程に「雪さらし」が有名で、雪と太陽の光で白くします。着心地は「さらりとした感触が心地いい」と言われます。
国重要無形文化財。
ユネスコ無形文化遺産。
※「小千谷縮・越後上布(おぢやちぢみ・えちごじょうふ)」は、江戸時代から明治時代のころには「越後縮(えちごちぢみ)」と呼ばれていましたが、小千谷地域で生産されるものを「小千谷縮」、南魚沼地域で生産されるものを「越後上布」と呼び分けるようになっています。

養成所名 越後上布・小千谷縮布技術保存協会
場所 新潟県南魚沼市目来田107-1
内容 苧績み・いざり機・絣づくり
問い合わせ先 越後上布・小千谷縮布技術保存協会
(TEL:025-782-1127)
詳細情報 詳細

結城紬

結城紬とは、茨城県・栃木県を主な生産の場とする絹織物。使用する糸はすべて真綿より手つむぎした撚りの掛からない無撚糸を使用しており、着心地は「軽くて柔らかい」と言われます。
国の重要無形文化財。

養成所名 紬織物技術支援センター
場所 栃木県小山市福良2358
内容 多工程一貫生産に対応できる人材育成
問い合わせ先 栃木県産業技術センター紬織物技術支援センター
(TEL:0285-49-0009)
詳細情報 詳細
養成所名 結城市伝統工芸館
場所 結城市結城3018−1
内容 ・糸つむぎ
・機織り研修
・絣くくり
問い合わせ先 結城市教育委員会生涯学習課
(TEL:0296-32-1899)
詳細情報 詳細

 

近江上布

近江上布とは、滋賀県を主な生産の場とする麻織物。経糸、緯糸ともに苧麻の糸で織り上げられたもので、着心地は「柔らかくて涼しい」と言われます。
経済産業大臣指定伝統的工芸品。

養成所名 近江上布伝統産業会館
場所 滋賀県愛知郡愛荘町愛知川32-2
内容 手績み、整経、筬通し、綜絖、機上げ、織り
問い合わせ先 近江上布伝統産業会館
(TEL:0749(42)3246)
詳細情報 詳細

 

京友禅

京友禅とは、京都府を生産の場とする染織品。着物に描く模様の輪郭に隣接する模様が混ざらないように糊を引いていき、鮮やかな色彩が美しいものになります。
経済産業大臣指定伝統的工芸品。

養成所名 地方独立行政法人京都市産業技術研究所
場所 京都市下京区中堂寺粟田町91
京都リサーチパーク9号館南棟
内容 ・基礎コース(隔年)
・プロ養成コース
問い合わせ先 地方独立行政法人京都市産業技術研究所
(TEL:075-326-6100)
詳細情報 詳細

 

西陣織

西陣織とは、京都府を生産の場とする先染め紋織物。平安の世より続く豪華絢爛な織物であり、美しく染められた糸を用い、様々な技法で織り出される文様が特徴になります。
経済産業大臣指定伝統的工芸品。

養成所名 地方独立行政法人京都市産業技術研究所
場所 京都市下京区中堂寺粟田町91
京都リサーチパーク9号館南棟
内容 織物に関する基礎理論及び応用知識の習得
問い合わせ先 地方独立行政法人京都市産業技術研究所
(TEL:075-326-6100)
詳細情報 詳細

 

博多織

博多織とは、福岡県福岡市博多区を生産の場とする絹織物。絹糸のほかに金糸・銀糸などを使い、細い経糸を多く用い、太い緯糸を筬で強く打ち込むことで厚みや張りがあります。
経済産業大臣指定伝統的工芸品。

養成所名 博多織デベロップメントカレッジ
場所 福岡市博多区比恵町20-19
内容 博多織の技術修得からクリエイタープロデューサーへ
問い合わせ先 博多織デベロップメントカレッジ
(TEL:092-472-5102)
詳細情報 詳細

 

本場奄美大島紬

本場奄美大島紬とは、鹿児島県奄美大島を生産の場とする絹織物。世界三大織物のひとつと言われる先染めからの繊細な織りによって絣をつくリあげていきます。
経済産業大臣指定伝統的工芸品。
<関連記事:本場奄美大島紬の記事一覧

養成所名 笠利町大島紬織工養成所
場所 奄美市笠利町大字万屋1255
内容 織工
問い合わせ先 奄美市笠利総合支所産業振興課
(TEL:0997-63-1111)
詳細情報 詳細
養成所名 本場奄美大島紬技術専門学院
場所 奄美市名瀬浦上町48-1
内容 織工
問い合わせ先 奄美市紬観光課
(TEL: 0997-52-1111)
詳細情報 詳細
養成所名 大島紬技能養成所
場所 瀬戸内町古仁屋瀬久井西10-11
内容 織工
問い合わせ先 商工観光課
(TEL:0997-72-1115)
詳細情報 詳細
養成所名 大島紬織工養成所
場所 龍郷町瀬留906・嘉渡752
内容 織工
問い合わせ先 龍郷町商工会
(TEL: 0997-62-2131
詳細情報 詳細

 

琉球絣

琉球絣とは、沖縄県南風原町を生産の場とする織物。琉球絣が海を超え、薩摩絣、久留米絣、米沢琉球絣、伊予絣など日本の絣のルーツとなったと言われています。
経済産業大臣指定伝統的工芸品。

養成所名 琉球絣事業協同組合
場所 南風原町字本部157番地
内容 織りを中心とする琉球絣の総合的学習
問い合わせ先 琉球絣事業協同組合
(TEL:098-889-1634)
詳細情報 詳細

 

宮古上布

宮古上布とは、沖縄県宮古島を生産の場とする麻織物。「越後上布」、「近江上布」に並ぶ日本の三大上布の一つで、通気性に富んだ「丈夫で涼しい」と言われます。
国の重要無形文化財。
経済産業大臣指定伝統的工芸品。

養成所名 宮古島市伝統工芸品センター
場所 上野字野原 1190-188
内容 初級の製織技術習得
問い合わせ先 宮古織物事業協同組合
(TEL:0980-74-7480)
詳細情報 詳細

 

いかがだったでしょうか。

数日体験やその日の数時間の体験もありますので、問い合わせしてみてください。

興味をもっていただけた方が一人でも職人の道を歩んでいただけたら幸いです。